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高齢者向けリフォーム完全ガイド|費用相場・必要な場所・補助金を徹底解説

2025.11.21

高齢者が住み慣れた我が家で、これからも長く安心して暮らしていくためには、身体の変化に合わせて「快適な生活」を維持できるリフォームが必要です。

「今はまだ元気で不自由を感じていない」という方であっても、将来を見据えて早めにリフォームを検討しておくことは非常に重要です。なぜなら、家庭内で起きる不慮の事故による死亡者数は、交通事故による死亡者数よりも多いというデータがあるからです(※厚生労働省人口動態統計など参照)。

家の中には、高齢者にとってリスクとなる「段差」や「温度差」がたくさん潜んでいます。

本記事では、高齢者向けリフォームで優先的に行うべき場所や費用の目安、成功のポイント、また負担を軽くするための「補助金」や「減税制度」について解説します。

すぐに親御さんのためのリフォームが必要な方はもちろん、ご自身の将来のために備えておきたい方も、ぜひご一読ください。

高齢者向けのリフォームをおすすめする理由とタイミング

高齢者向けの住宅リフォーム(バリアフリーリフォーム)は、現在住んでいる人がより快適に、自立して生活できる環境を作るために必要です。

若い頃は使いやすかった部屋の間取りや動線であっても、年齢を重ねて身体機能が変化することで、不便を感じたり、時には危険を感じたりすることもあります。
また、もし介護が必要な状態になった場合、本人の生活の質(QOL)を守ることはもちろん、介護をする側(家族やヘルパー)が身体的負担を少なく介護できるようにすることも大切です。

段差の解消や手すりの設置など、適切なリフォームを行うことで、転倒など家庭内での思わぬ事故を未然に防ぐことができます。毎日過ごす場所だからこそ、これからも長く暮らしていくために、より暮らしやすく体に負担をかけない住まいへのリフォームをおすすめします。

リフォームを検討すべき具体的なタイミング

「まだ早い」と思っているうちに、あっという間に月日は流れてしまいます。一般的には、以下のようなタイミングがリフォームの好機と言われています。

  • 水回り設備の交換時期(築15年〜20年): キッチンや浴室などの設備寿命に合わせて、バリアフリー仕様へ交換する。
  • ライフスタイルの変化: 子供が独立した、定年退職を迎えたなど、生活リズムが変わった時。
  • 身体の不調を感じ始めた時: 「階段がつらい」「お風呂が寒い」と少しでも感じたら、それは住まいを見直すサインです。

高齢者向け住宅のリフォームをするべき場所と費用目安

高齢者向けのリフォームをする際、家のどこから手をつけるべきなのでしょうか?優先順位が高く、リフォーム効果(安全性・利便性)を感じやすい場所と、おおよその費用目安を解説します。

1. 個室(寝室・リビング)

一日のうち一番多くの時間を過ごす場所になるため、まずは個室(寝室やリビング)のリフォームを検討しましょう。

高齢になると足腰が弱くなり、室内であっても杖の使用や車いすで生活する可能性が高くなります。寝室やリビングをリフォームすることで、日常生活の大部分をストレスなく過ごしやすくすることが可能です。

  • 室内の段差の解消(バリアフリー化)
  • 手すりの設置(伝い歩きができるように)
  • 廊下や建具の開口部(幅)を広げる
  • 扉を開き戸から「引き戸」に変更する
  • 床材をクッション性のある柔らかい材質に変更する

【費用目安】
・手すり設置:3万〜10万円
・床材変更(6畳):10万〜20万円
・引き戸への変更:10万〜30万円

2. キッチン(台所)

食事を作る楽しみは、生活の意欲に直結します。しかし、従来のキッチンは立ち仕事が多く、火を使うため危険も伴います。
高齢になっても安全に料理を楽しめるよう、身体への負担を減らすリフォームがおすすめです。

  • IHクッキングヒーターへの変更: 火を使わないため、着衣着火や消し忘れによる火災リスクをなくせます。掃除も楽になります。
  • 昇降式の吊戸棚: 高い位置にある収納を手元の高さまで降ろせるようにし、踏み台を使わずに出し入れできるようにします。
  • 足元オープンのキッチン: シンクの下を空けることで、椅子に座ったまま洗い物や調理ができるようにします。

【費用目安】
・IHヒーター交換:10万〜30万円
・システムキッチン交換(バリアフリー仕様):80万〜150万円

3. トイレ

高齢者向けリフォームにおいて、トイレは非常に重要な場所です。
将来的に介護が必要になると、介助者も一緒にトイレに入ることになります。従来の狭いトイレでは二人で入ると身動きが取れなくなるため、スペースを拡張して広いトイレにします。

また、万が一汚れてもすぐに掃除がしやすいように、床材や壁材を変更すると、介護する側の負担を少なくできるのでおすすめです。

  • トイレのスペースを広くする
  • 掃除しやすい床材への変更
  • 立ち座りを補助する手すりの設置(L字型など)
  • 自動洗浄やオート開閉機能付きの便器(身体的動作の軽減)

【費用目安】
・手すり設置:3万〜5万円
・トイレ本体交換:15万〜30万円
・和式から洋式+内装:30万〜60万円

4. 浴室

浴室は「転倒」と「ヒートショック」という2大リスクが潜む場所です。あわせて脱衣所のリフォームも強くおすすめします。

冬場、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動した際の急激な温度差は「ヒートショック」を引き起こす原因となり、心筋梗塞や脳梗塞などを発症するリスクが高まります。
浴室暖房乾燥機の設置や断熱改修を行い、家の中で極端な温度変化を感じないようにしましょう。

  • 脱衣所・浴室の床材を滑りにくいものにする
  • 浴室暖房乾燥機などの設置(ヒートショック対策)
  • またぎやすい高さの浴槽への変更
  • 手すりの設置(浴槽への出入り用など)

【費用目安】
・手すり設置:3万〜10万円
・浴室暖房乾燥機設置:10万〜20万円
・ユニットバス交換(全体):80万〜150万円

5. 階段

階段は、足腰が弱くなってくると昇り降りが大変な負担となります。また、家庭内事故の中でも転落時の重症化リスクが高い場所です。

階段を使い続ける場合には、安全性を最優先にした次のようなリフォームを行います。

  • 滑りにくい床材にする
  • 階段の踏み板の先端部分(段鼻)に滑り止めの設置
  • 足元が見えやすいようフットライト(足元灯)の設置
  • 手すりの設置(両側に設置するのが望ましい)

【費用目安】
・手すり設置:10万〜20万円
・滑り止め設置:1万〜5万円

6. 玄関

高齢者はわずかな段差であってもつまずいてケガをする可能性があるため、玄関の段差(上がり框など)を解消したり、スロープを設置したりして、段差の高さをできるだけ低いものにしておく必要があります。

構造上、段差を完全になくすことが難しい場合には、腰かけて安全に靴を着脱できるベンチなどを設置しましょう。

  • 段差の解消
  • 靴を着脱できるベンチ(腰掛けスペース)の設置
  • スロープの設置
  • 玄関ドアを引き戸にする・広くする

【費用目安】
・手すり設置:3万〜10万円
・スロープ設置(外構):10万〜40万円
・玄関ドア交換(引き戸):30万〜60万円

高齢者の方が安全に暮らせるリフォームのポイント

場所ごとのリフォームに加え、家全体を「どのような方針」でリフォームするかというポイントがあります。
特に「温度」と「動線」は健康寿命を延ばすための鍵となります。

「温度のバリアフリー」でヒートショックを防ぐ

段差をなくすことだけがバリアフリーではありません。家の中の「温度差」をなくすことも、高齢者の命を守るために極めて重要です。
暖かいリビングから寒い廊下やトイレに出た瞬間、血圧が急激に変動し、心臓や脳に大きな負担がかかることがあります(ヒートショック)。

これを防ぐために、浴室だけでなく、家全体の断熱性能を高めることを検討してください。

  • 窓の断熱化: 今ある窓の内側に二重窓(内窓)を設置するだけで、冷気の侵入を大幅に防げます。
  • 断熱材の施工: 床下や天井裏に断熱材を入れることで、外気の影響を受けにくい家にします。

介護が必要な場合に備えた「動線」と「アクセス」

将来を見据えてリフォームをする場合、部屋単体ではなく、家全体の「動きやすさ(動線)」を見直すことが重要です。

例えば、高齢者の寝室をトイレや浴室などの水回りの近くに移動させるような間取り変更です。これにより、本人の自立した生活が長続きし、夜間のトイレ移動などの転倒リスクも減らせます。
同時に、介護する側にとっても移動距離が短くなるため、負担が大幅に軽減されます。

また、室内だけでなく「外からのアクセス」もポイントです。車椅子を利用したり、デイサービスなどの送迎車(福祉車両)が出入りしたりすることを想定し、玄関アプローチの幅を広げたり、駐車場を整備したりする外構リフォームも視野に入れましょう。

本人が生活しやすいことを最優先にする

「高齢者リフォーム」を意識しすぎて、かえってリフォーム前よりも本人が生活しづらくなるというケースが稀にあります。

家族が高齢者本人の気持ちや長年の習慣を尊重せずにリフォームを進めてしまうと、本人は「使いづらい」「落ち着かない」と感じてしまいます。計画段階から生活する本人の意見も十分に取り入れてください。
もし、本人の意見と、安全のために必要なリフォームがかけ離れている場合は、丁寧に話し合い、納得してもらうプロセスが大切です。

費用と優先順位

手すりをつける、各所に滑り止めを設置するなど、今の状態を大きく変えない工事であれば費用は安価ですが、間取り変更や断熱改修を伴う大がかりなリフォームを行う場合は費用が高額になります。

あれもこれもといろいろな場所の改修をしていくと、驚くような見積もり金額になってしまうこともあります。
事前に「どこが一番危険か(例:寒いお風呂、急な階段)」という優先順位を決めておき、リフォームをする前に必ず数社から見積もり(相見積もり)をとって比較検討するようにしましょう。

【セルフチェック】我が家のリフォーム危険度診断

最後に、ご自宅の状況をチェックしてみましょう。一つでも当てはまる場合は、リフォームや対策の検討をおすすめします。

  • □ 築20年以上経過しており、浴室やトイレが当時のままである
  • □ 家の中に2cm以上の段差がある(敷居など)
  • □ 階段や廊下に手すりがない
  • □ 冬場、浴室や脱衣所がすごく寒い
  • □ 最近、家の中でつまずいたり転んだりしたことがある
  • □ 家族が要支援・要介護の認定を受けた

高齢者が住宅リフォームで利用できる補助制度・減税制度

高齢者用・バリアフリーリフォームは一般的なリフォームなどに比べて、費用がかさみがちです。しかし、国や自治体の補助制度や減税制度をうまく組み合わせることで、自己負担を大幅に減らせる可能性があります。

1. 介護保険の「高齢者住宅改修費用助成制度」

要支援・要介護認定を受けた方が、自宅で生活し続けるためにバリアフリーリフォームを行う際に利用できる制度です(国の介護保険制度を利用します)。

  • 対象: 要支援1・2、要介護1~5の認定を受けている方
  • 支給限度額: 1人あたり工事費用 20万円まで
  • 支給額: 所得に応じて工事費用の7割〜9割が支給されます。
    (例:1割負担の方が20万円の工事をした場合、18万円が支給され、自己負担は2万円で済みます)
  • 特徴: 原則として1人1回(20万円分まで)しか利用できませんが、要介護度が3段階以上上がった場合や、転居した場合には再度利用が可能になります。また、20万円の枠内であれば数回に分けて使うことも可能です。
【⚠️重要】必ず「工事前」にケアマネジャーへ相談を!
介護保険を利用するには、着工前に自治体への申請が必要です。「工事が終わってから領収書で申請」はできません。
また、申請にはケアマネジャー(介護支援専門員)が作成する理由書が必要です。「リフォームしたいな」と思ったら、まずは担当のケアマネジャーに相談することから始めましょう。

2. 自治体独自の助成制度

介護保険とは別に、各自治体が独自に行っている「高齢者住宅改修費助成制度」や「バリアフリー改修助成事業」などがあります。

対象となる年齢、要介護認定の有無、助成金額の上限などは自治体によって大きく異なります。介護保険のリフォームと併用できる(上乗せできる)場合もあるため、お住まいの地域の役所(高齢福祉課など)で確認してみることをおすすめします。

3. バリアフリーリフォーム減税(税制優遇)

補助金だけでなく、リフォームを行った翌年に確定申告をすることで、税金が戻ってくる(控除される)制度もあります。

  • 所得税の控除(投資型減税・ローン型減税): 一定の要件を満たすバリアフリー工事を行った場合、工事費用の10%相当額などが所得税から控除されます。
  • 固定資産税の減額: 工事完了後3ヶ月以内に申告することで、翌年の家屋にかかる固定資産税が3分の1減額(1年間)される措置があります。

※制度の内容は年度によって変更される場合があります。リフォーム会社や税務署に最新情報をご確認ください。

まとめ

高齢者が必要とするリフォームについて、場所ごとのポイントや費用目安、補助金・減税制度について詳しく解説しました。
高齢者の住宅リフォームは、単に家をきれいにするだけでなく、高齢者が「安全に」「長く」住みやすい環境を得るために必要な投資です。

介護が必要になってからの早急なリフォームはもちろんですが、今はまだ元気だけれど「築年数が経ってきた」「退職して家にいる時間が増えた」という方も、早めに検討を始めておきましょう。

費用がかかってしまう高齢者住宅のリフォームですが、介護保険や自治体の補助金、そして減税制度などが充実しています。まずは信頼できるリフォーム会社やケアマネジャーに相談し、負担を抑えつつ快適な住まいを実現してください。

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