外壁塗装を検討している人の中には、どの塗料を選んだらよいのか、種類が多すぎて悩んでしまうことがある人もいるのではないでしょうか。
外壁塗装に使う塗料は、それぞれ耐久年数や価格が違うため、予算や塗り替え時期を考慮しながら決める必要があります。価格が安いからという理由だけで塗料を選んでしまうと、耐久性に欠けていて、すぐに塗り替えしなければならなくなるかもしれません。
そこで、この記事では外壁塗装で使う塗料の選び方と、種類について解説しています。それぞれの特徴と、迷ったときのおすすめ塗料も紹介しているので、参考にしてください。
外壁塗装に使う塗料の選び方
外壁塗装に使う塗料は、一つや二つではありません。多くの種類があり、それぞれ特徴や兼ね備えている性質が異なります。そのため、何を基準で選べばよいのか、どの塗料がよいのかわからないという人もいるでしょう。
そこで、ここからは塗料の選び方を解説していきます。
耐久年数と価格から選ぶ
塗料によって耐久年数や価格が違うため、塗料は長い目で見て選ぶことが大切です。安くすませたいからといって安価な塗料を選んでは、すぐに塗り替え時期がきてしまいます。
例えばフッ素樹脂塗料なら10〜20年、アクリル樹脂塗料なら3〜8年が耐久年数の目安です。塗り替えの頻度が多いと、それだけ費用がかかることになり、結果的に多くの出費につながる可能性があります。もちろん、耐久年数が長い塗料ほど高価格。
しかし、何回も塗り直さなくてもよいため、結果的にお得になる場合があります。塗料それぞれの耐久性や価格は、しっかり確認しておきましょう。
塗料の性能から選ぶ
塗料にはさまざまな機能がついていて、外部の刺激から建物を守ってくれます。外壁塗装をする理由は、劣化した外壁にただ色を塗るというだけではありません。
建物の寿命を延ばすという意味でも重要です。熱による建物の劣化を防いでくれる遮熱性、雨漏りを防止する防水性や汚れをつきにくくする防汚性など、塗料によって性能は変わります。また、塗料がもつ機能は一つとは限りません。いくつかの性能を兼ね備えている塗料もあるので、建物に合わせて選ぶ必要があります。
提案された塗料メーカーは業者へ情報確認する
塗料はたくさんの種類があるため、自分で決められないときには、業者がピックアップして選んでくれます。もし、提案された塗料についてわからないことがあれば、業者任せで決定する前に疑問点を聞いておきましょう。
なぜこの塗料にしたのか、どこがよいのかなど、踏み込んだ質問をしておくと納得して依頼できます。何も知らないからこそ、本当に問題のない塗料なのか、自分の住宅にあっているのか気になるはず。特に、名の知れた企業が出している塗料だと安心できるかもしれませんが、聞いたことのないところだと、不安を感じる人がいるでしょう。
もちろん、メジャーではない塗料だからといって、ダメな塗料とは限りません。しかし、安心して依頼できるように、不安要素があれば業者へ聞いておくことが大切です。
外壁塗装に使う塗料の種類と特徴
外壁塗装に使う塗料には、多くの種類があります。価格帯はもちろん、耐用年数や特徴が違っているため、住宅に合わせた塗料を選ぶことが大切です。そこで、外壁塗装に使う塗料の種類と特徴を解説します。それぞれの良し悪しを理解した上で、塗料を選びましょう。
アクリル塗料
耐用年数は約3〜8年、価格は1平方メートルあたり約1,000円〜と、塗料の中でもかなりリーズナブルに購入できます。発色がよい反面、耐久性には欠けているため、期間限定の建物などに使われることも。そのため、それなりの耐用年数が求められる新築時や塗り替え時には、ほとんど使われていません。頻繁に塗り替えたい人には、おすすめの塗料です。
ウレタン塗料
耐用年数は約5〜10年、価格は1平方メートルあたり約1,700円〜と、アクリル塗料に並んでリーズナブルなのがウレタン塗料です。数年前までは、外壁を塗り替えるときによく使われていました。伸びがよく、独特の光沢があります。比較的安価ではありますが、これから紹介するシリコン塗料などに比べると耐久性は劣るでしょう。
シリコン塗料
耐用年数は約7〜15年、価格は1平方メートルあたり約2,300円〜のシリコン塗料は、近年ではスタンダードな塗料です。高すぎない価格と、そこそこある耐久性のため、人気を誇っています。ウレタン塗料よりも汚れにくい性質をもち、色のバリエーションが豊富なところが特徴的です。しかし、塗膜の伸び縮みが少ないため、外壁の小さな割れを塗膜でカバーしきれない可能性があります。
ラジカル制御型ハイブリッド塗料
耐用年数は約12〜15年、価格は1平方メートルあたり約3,000円〜と、これまでの塗料に比べて少し高め。ラジカル制御型ハイブリッド塗料は、各メーカーがそろって新製品を投入しているジャンルです。ほとんどの塗料に防汚機能がついているため、汚れにくいところが特徴としてあげられます。シリコン塗料よりも耐用年数が長く、費用対効果が高いところが魅力的です。
ナノテクノロジー塗料
ナノテクノロジー塗料の耐用年数は約12〜15年、価格は1平方メートルあたり約2,500円〜です。その名の通り、ナノテクノロジーを応用した塗料で、防汚機能と耐久性を兼ね備えています。
また、石油由来の原料を大幅にカットできるため、エコなところも特徴的。艶なしなので、マットな外壁に仕上がります。ただし、製造しているメーカーが限られているため注意しましょう。
アクリル100%(ピュアアクリル)塗料
耐用年数は約13〜15年、価格は1平方メートルあたり約3,800円〜と、耐久性に優れた塗料です。アクリル100%塗料は、アクリル塗料から不純物を完全に取り除き、フッ素と同等の耐用年数と汚れにくさを誇っています。最大の特徴は弾性に優れているところ。クラックと呼ばれるひび割れへも対応しやすいため、モルタルなどのひび割れが入りやすい外壁におすすめです。
しかし、クラックが入りにくい外壁では、弾性である必要性を感じられない可能性があります。アクリル100%塗料を選ぶときには、自分の住宅に合っているかしっかり検討しましょう。
フッ素塗料
耐用年数は10〜20年、価格は1平方メートルあたり約3,500円〜と、少し高価に感じられる塗料です。しかし、頻繁に塗り替えがいらないほど優れた耐久性をもち合わせています。フッ素塗料はビルやマンションといった建物に利用され、スカイツリーの塗料としても使われました。フッ素樹脂加工のフライパンをイメージするとわかるように、フッ素は汚れを寄せ付けない性質があります。そのため、水や汚れを弾く効果が期待でき、汚れにくいのが最大のメリット。
その反面、次の塗り替え時期がきたときに、塗料がくっつきにくい場合があります。フッ素塗料の弾くという性質が、新しく塗ろうとする塗料の邪魔をしてしまうからです。専用の下塗り材が必要なので、そのぶんの手間がかかるかもしれません。
無機系ハイブリッド
耐用年数は約15〜20年、価格は1平方メートルあたり約3,500円〜と、これまでの塗料の中で最も耐久性の優れた塗料です。20年以上耐久するともいわれているので、一度塗ってしまえば、頻繁に塗り替える必要がなくなるでしょう。
無機系ハイブリッドは、外壁の上にガラスを吹き付けるようなもの。紫外線の劣化を受けず、菌の発生元になることもありません。湿気の多い地域でも、綺麗な外観を長く保てるのでおすすめです。
ただし、その硬さから、地盤の動きで住宅の構造部分にヒビが生じると、塗膜まで割れてしまうことがあります。
迷ったときのおすすめは「シリコン塗料」
さまざまな種類がある塗料。結局、どれがよいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。耐久性を見るならフッ素塗料かもしれませんが、値段は高価です。
しかし、安価な塗料だと耐用年数が短いため、頻繁に塗り替えなければなりません。そんなときは、シリコン塗料を選ぶのがおすすめです。そこそこの耐久性と高すぎない価格帯のため、コストパフォーマンスがよいところが最大のメリット。外壁塗装を検討しているけれど、なるべく費用を抑えたいという人でも、お手軽なのがシリコン塗料です。
また、水に馴染みやすく汚れがつきにくい性質をもっています。そのため、汚れが付着しても、雨水で汚れを洗い流してくれるセルフクリーニング効果が期待できるのも魅力的です。シリコンといっても種類はいろいろありますが、少しでも選択肢が絞られることで、選びやすくなるはず。塗料にこだわりがない、無難なものを選びたいならシリコン塗料を検討してみてはいかがでしょうか。
外壁塗装するときにおさえておきたいポイント
外壁塗装をおこなうためには、信頼できる業者へ依頼することが必要不可欠です。どんなに塗料にこだわっても、悪徳業者によるずさん工事だった場合、納得できないでしょう。比較せずに業者を選んだり、近所にあったからと適当に選んだりしてしまうと、後悔するかもしれません。
では、外壁塗装をおこなう上で知っておくべきことは何か、おさえておきたいポイントを紹介します。
見積書で適正価格をチェック
外壁塗装を依頼すると、必ず目を通すことになるのが見積書です。1社のみに限らず、複数の業者から見積もりを出してもらい、比較してみましょう。比べてみることで価格が高すぎないか、安すぎないか、記載内容は曖昧ではないかがわかります。
例えば、項目がざっくりしていたり、数量が「一式」と記載されていたりする場合、何にいくらかかっているかが不明瞭です。見積書を見ると、どうしても合計金額に目がいってしまうかもしれません。しかし、工事の内容やそれぞれの価格が適正かどうかなど、見るべきポイントがたくさんあります。手間はかかりますが、複数の業者から見積書をもらうようにしましょう。
業者選びは慎重に
ずさん工事や、高額請求などの悪徳業者へ依頼することのないように、業者選びは慎重におこなうことが大切です。「どこも同じだろう」「安ければよい」と安易な考えで選ぶと、思っていた仕上がりにならない可能性があります。そのため、公式サイトやネットの口コミなどを参考にし、自分でリサーチできる範囲で調べてみましょう。施工実績や資格者の有無、実際に利用した人の生の声は十分な判断材料になります。
外壁塗装は決して安いものではありません。「あのときしっかり選んでおけばよかった」と、後悔することのないように、自分でできることはしておくのがおすすめです。
外壁塗装は屋根塗装と一緒にするとお得
外壁塗装を検討するときには、屋根の塗装も一緒にしてしまうと節約になります。外壁塗装と屋根塗装は、どちらも工事するために足場が必要です。一緒に塗装することで足場が1回ですむため、そのぶん費用を抑えられます。外壁塗装だけでなく、屋根の塗装まですると高額になるイメージをもつ人が多いでしょう。
しかし、屋根の塗装時期が同じくらいの時期ならば、まとめて工事してしまうほうがお得です。もし、屋根の塗装時期がわからないという人は、業者へ一度相談してみましょう。
まとめ
外壁塗装に使われる塗料には、多くの種類があります。それぞれの耐用年数と価格帯、特徴を知っておくことで、住宅に合わせた塗料が選べるでしょう。
2万件以上の施工実績を誇る一二三工務店では、経験豊富な職人がこだわりの施工をおこなっています。外壁塗装はもちろん、屋根やエクステリアなど住宅に関する幅広いお悩みに対応しているので、お気軽にご相談ください。