外壁は経年劣化で色あせし、壁を守る機能が低下するため定期的な塗装が必要です。ただ、「今の外壁の色とは違う色にしたい」と考えた時に悩むのが色選びですよね。周りの家に合わせてもいいですが、できれば色あせしにくい色を選べば、次回の塗り替えまできれいな外壁をキープできます。そこで今回は外壁塗装の前に知っておきたい、色あせしない外壁の色やきれいな状態をキープするコツについて詳しくご紹介します。
外壁塗装をする前に!なぜ外壁は色あせする?その原因3つ
外壁は経年で色あせ、見た目が悪くなってしまうため定期的に塗装が必要です。ただ、外壁の色によっては塗装からそれほど経っていないのにくすんでしまうことがあります。そこでなぜ外壁は色あせをしてしまうのかその原因について詳しくご紹介します。
自然によるもの
色あせは、塗料に使われている顔料の原子結合が弱まって起こります。顔料の原子結合を弱らせる原因のひとつが紫外線です。外壁は常に外気にさらされており、雨や風を受け止める役割もあります。顔料の原子結合が弱まったところに雨や風を受けてしまい、劣化が進んで色あせてしまうのです。そして色によっては紫外線を吸収しやすいため、劣化が早く進んでしまうことがあります。
化学変化によるもの
経年劣化による化学変化も、色あせの原因です。外壁や塗装自体が経年で化学変化を起こし、変質してしまうことで色あせが発生します。分かりやすい例として、鉄が変質して色が変わってしまう劣化が挙げられます。紫外線や酸性雨といった自然現象も化学変化の原因のひとつです。
環境が原因によるもの
家が建っている環境も色あせに大きく関わっています。車の行き来が多い場所の場合は排気ガス、海が近い場所だと潮風が原因で劣化が早まります。その他雪の多い地域、台風の被害が多い地域、地震の揺れが多い地域も劣化を進行させる環境といえるでしょう。
外壁塗装で選びたい色あせしない色ベスト5
外壁塗装で選ぶ必要がある塗料ですが、大切なのは塗料の性能だけではありません。どの塗料でも経年劣化はしますが、先にご説明したような色あせの原因が発生しにくい色は存在します。塗料の色を上手に選べば、ある程度色あせを防ぐことができるのです。そこで、色あせしにくいとされている色をここでは5色ご紹介します。
白
色あせは顔料に使われる色素の結合が壊れることで発生するため、無色の白は色あせしにくい色といえます。ただ、白は汚れが付きやすいため、車が多い通りに面している場合には、色あせする前に汚れで経年劣化が進む可能性があります。塗料は光が当たるとラジカルが発生し、塗膜が破壊されてしまいます。ラジカル制御の塗料も出ていますが、価格は高めです。
黒
白と同じく、無色の黒も色あせしにくい色です。炭素結合が強く、光で結合が壊れない強みを持っています。ただ、白と同じく汚れが目立ちやすいことに加え、光沢やツヤがある塗料の場合は耐久性が低く劣化が早く発生する可能性があります。また、黒は熱を吸収しやすいため、外壁材自体の劣化を早めてしまいます。
青
青は紫外線を吸収しにくい色で、光を反射するため劣化しにくい色です。道路標識で多く採用されているのも、色あせが比較的しにくいことが理由です。原色の塗料は色あせしやすいといわれていますが、青は紫外線の影響を受けにくいため色あせがほとんどありません。
グレー
色あせをしないというよりも、目立たないという点で人気があるのがグレーです。白や黒だと色あせしにくい一方で汚れが目立つデメリットがありますが、外壁に付着する汚れは中間色(はっきりしない色合いやはっきりとした色に黒や白を混ぜた色)であることがほとんどなので、同じ中間色であるグレーだと目立たなくなるからです。グレーの場合、色あせしても目立たないため、よく選ばれる外壁の色となっています。
ベージュ
黄色みを帯びた中間色のベージュも、人気のあるカラーです。色あせしやすい黄色に白を混ぜることで、色あせを目立たせなくさせています。グレーと同じくベージュも中間色で、汚れが目立たないメリットがあります。また土色となじみやすいため、土埃が多く発生しやすい環境に向いています。
外壁塗装は色あせしない色以外を選んでも問題はない
外壁塗装で使う塗料を選ぶ場合、色あせしない色以外を選んでも問題はありません。色あせしにくい色ということで青色や黄土色を選んだ場合、色あせはしにくくなったとしても周りの家の外壁と違って目立ちすぎてしまうといったことにもなるからです。ただ、好きな色を選びたいと思っても、「赤」「黄色」「緑」の3色はおすすめしません。この3色は紫外線の影響を受けやすく、他の色に比べて色あせが進みやすいというデメリットがあります。赤というと東京タワーが思い浮かびますが、この塗料も5年に一度の塗り替えが行われています。外壁に使いたい色がある場合は、塗装をお願いする業者に事前に相談してみることをおすすめします。塗料にも色合いやグレード、機能が多数ありますので、希望した色を塗装することもできるかもしれないからです。
外壁塗装で色あせしない色を選ぶだけだと失敗する?
外壁の劣化を食い止めるために必要な塗装ですが、色あせしないことだけを重視して色選びをすると失敗する可能性があります。白と黒は色あせしないメリットがありますが、外壁や家を守るという点ではデメリットのほうが多いからです。
光をはね返す白は塗膜が壊れやすい
白の外壁は紫外線をはね返しますが、光によって表面にラジカルが発生しやすくなります。ラジカルは塗膜を壊し表面をざらざらにしてしまい、結果的に外壁材を劣化させることになります。ラジカルが発生するのは白色だけでなく、顔料が使われている塗料すべてに当てはまります。ただ、白は汚れが目立つため、表面のざらつきと汚れで塗装から何年も経たないうちに古びた印象を与えてしまいがちです。ラジカルの発生を抑える塗料を採用する方法もありますが、淡い色系のみにしか対応していないこと、価格が比較的高めという点に注意が必要です。
黒の外壁は選び方によっては失敗する
黒を選んだ場合、見た目で光沢やツヤのあるものにすると耐久性が低下してしまいます。光沢やツヤなしの場合は問題はないものの、やはり見た目が重く感じられてしまうデメリットがあります。また黒は太陽光を吸収しやすいため、室内温度が上昇してしまい、結果的に外壁材や家自体の劣化を進めてしまう可能性がある点にも注意が必要です。
外壁塗装で色あせしない色選びをするための注意点
外壁塗装で使う色選びでは、いくつか注意したいことがあります。好きな色を使うことができる場合とできない場合があるためです。そこで事前に覚えておきたい注意点を見ていきましょう。
色選びは屋根やサッシ、雨戸の色との調和も考える
外壁塗装の色を選ぶ際には単体ではなく屋根やサッシ、雨戸といった他の部分との組み合わせも考えましょう。外壁塗装単体で塗装するよりも、屋根や他の部分も一緒に塗装したほうが費用が抑えられるため、業者からすすめられることが多いです。トータルで色をコーディネートすることをおすすめします。
塗膜の耐久年数も考えて塗料を選ぶ
外壁は塗る範囲が広いため、塗料を価格で選びがちですが、色あせしない外壁にするためには色だけでなく成分も確認するようにしましょう。塗料の化学変化は避けられませんが、ラジカルを抑えるラジカル制御の塗料や耐久年数の長いフッ素塗料を選ぶことで耐久性がアップします。
景観条例などの規制にかからないかどうかチェックする
お住まいの地域によっては、条例で外壁の色が制限されていることもあります。特に黒や原色系は規制されていることが多いため、事前に確認するようにしましょう。地元で塗装をしている業者であれば詳しいので、相談することをおすすめします。
外壁塗装は色あせ以外にも注意!色持ちをよくするコツ
外壁塗装では色あせしない色や汚れが付きにくい色などを重視しがちですが、自分の家なのだから好きな色を選びたいということもあるはずです。そこで色あせしにくい色だけでなく、色持ちを維持するために知っておきたいことを詳しくご紹介します。
ツヤのある塗料を選ぶ
色あせしない色に加えて、ツヤのある塗料を選ぶのがおすすめです。塗料によっては意図的にツヤ消しするためにツヤ消し剤を入れるものがあり、この加工が耐久性を落とす原因になります。ツヤありの塗料を選びましょう。
光触媒塗料を選ぶ
紫外線で表面の汚れを分解する働きを持つ光触媒塗料を選ぶことで、色あせしにくくなります。表面の汚れや紫外線の影響で塗料が劣化して色あせするため、表面に汚れが付着しないだけで塗料の持ちが大きく変わってきます。ただし、日光が当たらない部分ではその効果が発揮されないことに注意が必要です。
塗装が必要ない外壁と組み合わせる
塗装の必要がない外壁を組み合わせることで、色あせ防止につながるだけでなく好きな色を取り入れることが可能です。外壁の場所によっては日光の影響を受けたり、逆に日が当たらず苔やカビが発生しやすかったりします。そういった問題を解決するために、塗装のタイミングで塗装の必要がない外壁材を取り入れることも考えてみましょう。
外壁塗装は色あせしない色だけでなく塗料の耐用年数もチェックしよう
外壁塗装は定期的な塗り替えが必要です。塗り替えをしないと劣化した部分から水分が入り込み、結果的に家自体に悪影響を及ぼしてしまうからです。特に紫外線による色あせは外壁の劣化を進めてしまいます。今回ご紹介した色あせしにくい色を選ぶことに加え、耐久性を高めるためにもグレードの高い塗料を選ぶことも大切です。一二三工務店では豊富な施工実績を活かし、お客様のご希望やご要望にあわせておすすめの塗料をご紹介します。ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。