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【外壁塗装の塗料選び方】種類・価格・耐久年数を徹底比較!水性/油性、艶、外壁材の相性まで網羅

2025.11.24

外壁塗装をご検討中の方の中には、種類の多さから「どの塗料を選べば良いのだろう?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

外壁塗装に使う塗料は、それぞれ耐久年数や価格が違うため、予算や将来的な塗り替え時期を考慮しながら決める必要があります。安さだけで塗料を選んでしまうと、耐久性に欠け早期に塗り替えが必要となり、かえってコストがかさむ結果になりかねません。

そこで、この記事では外壁塗装で使う塗料の選び方と、種類について解説しています。それぞれの特徴と、迷ったときのおすすめ塗料も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装に使う塗料の選び方


外壁塗装に使う塗料は、一つや二つではありません。多くの種類があり、それぞれ特徴や兼ね備えている性質が異なります。そのため、何を基準に選べばよいのか、どの塗料がよいのかわからないという人もいるでしょう。

そこで、ここからは塗料の選び方を解説していきます。

【この記事で解説する塗料の選び方】

  1. 耐久年数と価格から選ぶ
  2. 塗料の「液性」「形態」「艶」から選ぶ
  3. 塗料の性能・機能性から選ぶ
  4. 提案された塗料メーカーは業者へ情報確認する(外壁材との相性チェック)

耐久年数と価格から選ぶ

塗料によって耐久年数や価格が違うため、塗料は長期的な視点で選ぶことが大切です。安価な塗料を選んで目先の費用を抑えても、すぐに塗り替え時期が来てしまいます。

例えばフッ素樹脂塗料なら10〜20年、アクリル樹脂塗料なら3〜8年が耐久年数の目安です。塗り替えの頻度が増えるほど、その都度費用が発生し、結果的にトータルコストが高くなる可能性があります。もちろん、耐久年数が長い塗料ほど高価格です。

しかし、何回も塗り直さなくてもよいため、結果的にお得になる場合があります。塗料それぞれの耐久性や価格は、しっかり確認しておきましょう。

塗料の「液性」「形態」「艶」から選ぶ

塗料の主成分だけでなく、希釈材や混合方法、そして最終的な見た目も、塗料選びの重要なポイントとなります。

1. 液性:水性塗料と油性塗料

塗料は、外壁に塗れる状態にするために希釈材で薄められます。水で薄めるものを「水性塗料」、シンナーなどの溶剤で薄めるものを「油性塗料(溶剤系)」と呼びます。

特徴 水性塗料 油性塗料
希釈材 シンナーなどの溶剤
臭い 少ない 強い(近隣への配慮が必要)
耐久性 近年、油性塗料と遜色ない製品が増加 密着性が高く、一般的に高耐久
適材適所 一般的な外壁塗装、環境配慮したい場合 屋根や鉄部など、高い密着性と耐久性が必要な箇所

2. 形態:1液型と2液型

塗料は、使用前に主材と硬化剤を混ぜるか否かで分類されます。

形態 特徴 メリット/デメリット
1液型 硬化剤が最初から主材に配合されている。 混ぜる手間がなく、余った塗料も保存可能。施工品質が安定しやすいが、2液型より使用できる素材が限られる場合がある。
2液型 塗料(主材)と硬化剤が別になっており、使用時に混合する。 塗膜が非常に強固になり、塗装可能な素材の範囲が広い。ただし、混合後は時間内に使い切る必要があり、手間もかかる。

3. 艶(ツヤ):見た目と耐久性

塗料の艶は、見た目の印象を大きく左右します。一般的に「艶あり」「7分艶」「5分艶」「3分艶」「艶消し(艶なし)」の5段階が存在します。

  • 艶あり: 光沢があり、新築のような輝きが出ます。塗膜の密度が高いため、最も耐久性が高く、汚れも付着しにくいというメリットがあります。
  • 艶消し(マット): 光沢を抑えた落ち着いた仕上がりで、近年人気が高まっています。ただし、艶ありに比べるとわずかに耐久性が劣る傾向があります。

塗料の性能・機能性から選ぶ

塗料にはさまざまな機能があり、外部の刺激から建物を守ってくれます。外壁塗装をする理由は、劣化した外壁にただ色を塗るというだけではありません。

建物の寿命を延ばすという意味でも重要です。熱による建物の劣化を防いでくれる遮熱性、雨漏りを防止する防水性や汚れをつきにくくする防汚性など、塗料によって性能は変わります。また、塗料がもつ機能は一つとは限りません。いくつかの性能を兼ね備えている塗料もあるので、建物に合わせて選ぶ必要があります。

【知っておきたい主な機能性とその技術】 近年、塗料には高度な技術が組み込まれ、耐久性を高めたり、日々のメンテナンスの手間を軽減したりしています。

遮熱・断熱機能: 太陽光に含まれる赤外線を効率よく反射し、建物への熱の蓄積を防ぐのが遮熱です。熱の移動自体を遅らせることで、外気温の影響を受けにくくするのが断熱です。

低汚染機能: 塗膜の表面を親水性(水に馴染みやすい性質)にすることで、付着した汚れを雨水が浮かせて洗い流す「セルフクリーニング効果」が期待できます。ナノテクノロジーを用いた塗料などがこの機能を持っています。

ラジカル制御機能: 塗料の主成分である顔料に含まれる酸化チタンなどが紫外線に当たると、塗膜の劣化を早める物質(ラジカル)が発生します。このラジカルの発生を抑えることで、塗膜の劣化を遅らせ、塗料の耐用年数を延ばす技術です。(代表製品:パーフェクトトップなど)

提案された塗料メーカーは業者へ情報確認する

塗料の種類は多岐にわたるため、選定に迷う場合は業者がお客様の住宅に合ったものを提案してくれます。もし、提案された塗料についてわからないことがあれば、業者任せで決定する前に疑問点を聞いておきましょう。

なぜこの塗料にしたのか、どこがよいのかなど、踏み込んだ質問をしておくと納得して依頼できます。専門知識がないからこそ、その塗料が本当に問題ないのか、自分の住環境に合っているのか気になるのは当然です。特に、名の知れた企業が出している塗料だと安心できるかもしれませんが、聞いたことのないところだと、不安を感じる人がいるでしょう。

もちろん、メジャーではない塗料だからといって、ダメな塗料とは限りません。しかし、安心して依頼できるように、不安要素があれば業者へ聞いておくことが大切です。

【外壁材との相性を確認する】 塗料選びでは、「塗料の特性」と「外壁材の性質」の相性が非常に重要です。例えば、ひび割れやすいモルタル外壁には、塗膜が伸びる弾性の高い塗料が向いています。逆に、ALCや窯業系サイディングなど透湿性が必要な外壁材に不向きな塗料もあります。提案された塗料が自分の家の外壁材に本当に合っているのか、理由も含めて業者に確認しましょう。

外壁塗装に使う塗料の種類と特徴

外壁塗装に使う塗料には、多くの種類があります。価格帯はもちろん、耐用年数や特徴が違っているため、住宅に合わせた塗料を選ぶことが大切です。そこで、外壁塗装に使う塗料の種類と特徴を解説します。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、塗料を選びましょう。

【塗料の種類と耐用年数・価格の目安】

塗料の種類 耐用年数の目安 1㎡あたりの価格目安(円) 主な特徴
アクリル塗料 約3〜8年 約1,000〜 発色がよい。耐久性は低い。
ウレタン塗料 約5〜10年 約1,700〜 柔軟性に優れる。汎用性が高い。
シリコン塗料 約7〜15年 約2,300〜 コスパが高い。近年スタンダード。
ラジカル制御型 約12〜15年 約3,000〜 シリコンより長寿命で低汚染性。
ナノテクノロジー 約12〜15年 約2,500〜 低汚染性・耐久性に優れる。艶消しが多い。
ピュアアクリル 約13〜15年 約3,800〜 弾性が高い。ひび割れに強い。
フッ素塗料 約10〜20年 約3,500〜 高耐久で高価格。ビルにも使用。
無機系ハイブリッド 約15〜20年 約3,500〜 最高クラスの耐候性。

アクリル塗料

耐用年数は約3〜8年、価格は1平方メートルあたり約1,000円〜と、塗料の中でもかなりリーズナブルに購入できます。発色がよい反面、耐久性には欠けているため、イベントなど期間限定の建物に使われることもあります。そのため、十分な耐用年数が求められる新築時や一般の塗り替え時には、ほとんど使われていません。頻繁に塗り替えたい人には、おすすめの塗料です。

ウレタン塗料

耐用年数は約5〜10年、価格は1平方メートルあたり約1,700円〜と、アクリル塗料に並んでリーズナブルなのがウレタン塗料です。数年前までは、外壁を塗り替えるときによく使われていました。伸びがよく、独特の光沢があります。比較的安価ではありますが、これから紹介するシリコン塗料などに比べると耐久性は劣るでしょう。

シリコン塗料

耐用年数は約7〜15年、価格は1平方メートルあたり約2,300円〜のシリコン塗料は、近年ではスタンダードな塗料です。高すぎない価格と、十分な耐久性のため、人気を誇っています。ウレタン塗料よりも汚れにくい性質をもち、色のバリエーションが豊富なところが特徴的です。しかし、塗膜の伸び縮みが少ないため、外壁の小さな割れを塗膜でカバーしきれない可能性があります。

ラジカル制御型ハイブリッド塗料

耐用年数は約12〜15年、価格は1平方メートルあたり約3,000円〜と、これまでの塗料に比べて少し高め。ラジカル制御型ハイブリッド塗料は、各メーカーがそろって新製品を投入しているジャンルです。ほとんどの塗料に防汚機能がついているため、汚れにくいところが特徴としてあげられます。シリコン塗料よりも耐用年数が長く、費用対効果が高いところが魅力的です。

ナノテクノロジー塗料

ナノテクノロジー塗料の耐用年数は約12〜15年、価格は1平方メートルあたり約2,500円〜です。その名の通り、ナノテクノロジーを応用した塗料で、防汚機能と耐久性を兼ね備えています。

また、石油由来の原料を大幅にカットできるため、エコなところも特徴的。艶なしなので、マットな外壁に仕上がります。ただし、製造しているメーカーが限られているため注意しましょう。

アクリル100%(ピュアアクリル)塗料

耐用年数は約13〜15年、価格は1平方メートルあたり約3,800円〜と、耐久性に優れた塗料です。アクリル100%塗料は、アクリル塗料から不純物を完全に取り除き、フッ素と同等の耐用年数と汚れにくさを誇っています。最大の特徴は弾性に優れているところ。クラックと呼ばれるひび割れへも対応しやすいため、モルタルなどのひび割れが入りやすい外壁におすすめです。

しかし、クラックが入りにくい外壁では、弾性である必要性を感じられない可能性があります。アクリル100%塗料を選ぶときには、自分の住宅に合っているかしっかり検討しましょう。

フッ素塗料

耐用年数は10〜20年、価格は1平方メートルあたり約3,500円〜と、少し高価に感じられる塗料です。しかし、頻繁に塗り替えがいらないほど優れた耐久性をもち合わせています。フッ素塗料はビルやマンションといった建物に利用され、スカイツリーの塗料としても使われました。フッ素樹脂加工のフライパンをイメージするとわかるように、フッ素は汚れを寄せ付けない性質があります。そのため、水や汚れを弾く効果が期待でき、汚れにくいのが最大のメリット。

その反面、次の塗り替え時期がきたときに、フッ素の持つ撥水性(弾く性質)が原因で新しい塗料が密着しにくい場合があります。専用の下塗り材が必要なので、そのぶんの手間がかかるかもしれません。

無機系ハイブリッド

耐用年数は約15〜20年、価格は1平方メートルあたり約3,500円〜と、これまでの塗料の中で最も耐久性の優れた塗料です。20年以上耐久するともいわれているので、一度塗ってしまえば、頻繁に塗り替える必要がなくなるでしょう。

無機系ハイブリッドは、外壁の上にガラスを吹き付けるようなもの。紫外線の劣化を受けず、菌の発生元になることもありません。湿気の多い地域でも、綺麗な外観を長く保てるのでおすすめです。

ただし、その硬さから、地盤の動きで住宅の構造部分にヒビが生じると、塗膜まで割れてしまうことがあります。

迷ったときのおすすめは「シリコン塗料」


さまざまな種類がある塗料。結局、どれがよいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。耐久性を見るならフッ素塗料かもしれませんが、値段は高価です。

しかし、安価な塗料だと耐用年数が短いため、頻繁に塗り替えなければなりません。そんなときは、シリコン塗料を選ぶのがおすすめです。そこそこの耐久性と高すぎない価格帯のため、コストパフォーマンスがよいところが最大のメリット。外壁塗装を検討しているけれど、なるべく費用を抑えたいという人でも、お手軽なのがシリコン塗料です。

また、水に馴染みやすく汚れがつきにくい性質をもっています。そのため、汚れが付着しても、雨水で汚れを洗い流してくれるセルフクリーニング効果が期待できるのも魅力的です。シリコンといっても種類はいろいろありますが、少しでも選択肢が絞られることで、選びやすくなるはず。塗料にこだわりがない、無難なものを選びたいならシリコン塗料を検討してみてはいかがでしょうか。

外壁塗装するときにおさえておきたいポイント

外壁塗装をおこなうためには、信頼できる業者へ依頼することが必要不可欠です。どんなに塗料にこだわっても、悪徳業者によるずさん工事だった場合、納得できないでしょう。比較せずに業者を選んだり、近所にあったからと適当に選んだりしてしまうと、後悔するかもしれません。

では、外壁塗装をおこなう上で知っておくべきことは何か、おさえておきたいポイントを紹介します。

見積書で適正価格をチェック

外壁塗装を依頼すると、必ず目を通すことになるのが見積書です。1社のみに限らず、複数の業者から見積もりを出してもらい、比較してみましょう。比べてみることで価格が高すぎないか、安すぎないか、記載内容は曖昧ではないかがわかります。

例えば、項目がざっくりしていたり、数量が「一式」と記載されていたりする場合、何にいくらかかっているかが不明瞭です。見積書を見ると、どうしても合計金額に目がいってしまうかもしれません。しかし、工事の内容やそれぞれの価格が適正かどうかなど、見るべきポイントがたくさんあります。手間はかかりますが、複数の業者から見積書をもらうようにしましょう。

業者選びは慎重に

ずさん工事や、高額請求などの悪徳業者へ依頼することのないように、業者選びは慎重におこなうことが大切です。「どこも同じだろう」「安ければよい」と安易な考えで選ぶと、思っていた仕上がりにならない可能性があります。そのため、公式サイトやネットの口コミなどを参考にし、自分でリサーチできる範囲で調べてみましょう。施工実績や資格者の有無、実際に利用した人の生の声は十分な判断材料になります。

外壁塗装は決して安いものではありません。「あのときしっかり選んでおけばよかった」と、後悔することのないように、自分でできることはしておくのがおすすめです。

外壁塗装は屋根塗装と一緒にするとお得

外壁塗装を検討するときには、屋根の塗装も一緒にしてしまうと節約になります。外壁塗装と屋根塗装は、どちらも工事するために足場が必要です。一緒に塗装することで足場が1回ですむため、そのぶん費用を抑えられます。外壁塗装だけでなく、屋根の塗装まですると高額になるイメージをもつ人が多いでしょう。

しかし、屋根の塗装時期が同じくらいの時期ならば、まとめて工事してしまうほうがお得です。もし、屋根の塗装時期がわからないという人は、業者へ一度相談してみましょう。

まとめ


外壁塗装に使われる塗料には、多くの種類があります。それぞれの耐用年数と価格帯、特徴に加え、液性や形態、艶、そして外壁材との相性といった要素を知っておくことで、住宅に合わせた最適な塗料が選べるでしょう。

2万件以上の施工実績を誇る一二三工務店では、経験豊富な職人がこだわりの施工をおこなっています。外壁塗装はもちろん、屋根やエクステリアなど住宅に関する幅広いお悩みに対応しているので、お気軽にご相談ください。

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