外壁塗装をおこなうときに、費用や最適な時期の目安が気になるという人もいるのではないでしょうか。ネット上では、10年を目安にといわれていることが多いですが、実は外壁の劣化や塗装の回数によって異なります。なんとなく塗装時期を決めてしまっては、早すぎたり遅すぎたりするかもしれません。また、塗装業者によってはずさんな工事で高額な請求をする悪徳業者もいるため、費用の目安を知っておくことが大切です。そこで、この記事では外壁塗装をするタイミングと、費用の目安について解説していきます。あわせて、なるべく安く工事をおこなうためのポイントも紹介しているので、参考にしてみてください。
外壁塗装の費用・塗装時期の目安
外壁塗装をするときには、費用と塗装時期の目安を知っておく必要があります。費用の目安を知っておかないと、見積書を見たときに相場がわかりません。また、塗装時期がわかると、最適なタイミングで塗装できます。無理のない予算と、定期的な外壁塗装で、住宅の寿命を長持ちさせましょう。
塗装時期の目安は築10年
ネット上でもよく目にするように、塗装するタイミングとしては、だいたい10年を目安に見ておくとよいでしょう。日本では、外壁材の約80%が窯業系サイディングボードを使っています。主成分がセメントの窯業系サイディングボードは、防水性に欠けているため、約5〜7年で防水機能が落ちてしまうのです。もちろん、住んでいる地域や天候によっても変わるので、すべての住宅に当てはまるわけではありません。あくまでも一つの目安として、覚えておくとよいでしょう。
費用の目安は約30坪で最低でも60万円
一般的な戸建て住宅の延床面積約30坪で外壁塗装目安を考えてみると、最低でも約60万円は必要です。外壁塗装の費用には、塗装代だけではなく、施工費や足場代などもかかってくることを頭に入れておきましょう。どのように塗装工事の見積もりを出すかは業者によって異なるため、いくつかの業者から見積もりをとって、比較するのがおすすめです。見積書によっては「一式」といった言葉で、詳細な内訳がわからない見積書を提示する業者がいます。外壁塗装の見積書は、十分な知識がないとわかりにくく、曖昧な内容や高額な請求があっても気づきにくいのが現状です。内訳がしっかり記載されている見積書を提示してくれる業者を選ぶのはもちろん、質問に対して親身に回答してくれるかどうかもチェックしておきましょう。
外壁塗装は何年ごとにおこなう?
塗装時期の目安は約10年とお話しましたが、実は新築と2回目以降の塗装だと、タイミングが異なります。外壁の種類によっては10年以上塗装する必要がない場合もあるので、最適な時期は業者と相談しながら決めるのがよいでしょう。これから解説する塗装時期はあくまで目安として、参考にしてみてください。
新築は8〜12年を目安に
先にお話したように、窯業系サイディングボードが使われた外壁材は、防水性に欠けているので築10年が経つ頃に業者へ外壁診断をしてもらうのがおすすめです。しかし、外壁材の種類によって耐久年数が変わります。場合によっては、10年を過ぎても塗装の必要がない住宅もあるでしょう。外壁塗装を検討するときには、自分の住宅に使われている外壁材は何なのかを調べておく必要があります。
2回目以降は塗料の耐用年数による
過去に外壁塗装の経験がある場合は、そのときに使った塗料の耐用年数によってそれぞれです。塗料にはそれぞれ耐用年数があるため、耐久性が短ければ、頻繁に塗り替え時期が来てしまいます。反対に、耐用年数の長い塗料を使うと、当面は塗り替えの必要がないでしょう。主に使われる外壁塗料と耐用年数については、以下の表にまとめています。目安として参考にしてみてください。
塗料の種類 | 耐用年数の目安 |
アクリル塗料 | 3〜8年 |
ウレタン塗料 | 5~10年 |
シリコン塗料 | 7~15年 |
ラジカル塗料 | 8〜16年 |
フッ素塗料 | 15~20年 |
外壁の劣化症状から塗装するタイミングをチェック
外壁塗装の時期は新築の場合で10年前後ですが、外壁に劣化症状が出ているときは早めに塗り直しを検討する必要があります。毎日、紫外線や雨風の影響を受ける外壁は、経年劣化が避けられません。そこで、ここからは外壁の劣化度からわかる、塗装のタイミングを解説していきます。
色褪せや艶落ち
劣化度は低いですが、色褪せや艶落ちは劣化が進み始めている証拠です。外壁は吹きさらしになることで、どうしても新築当時にあった艶がなくなってしまいます。目に見えてわかるくらい色褪せてきているときには、近いうちに塗装したほうがよいかもしれません。ただし、今すぐ住宅全体に影響するわけではないので、経過観察していきましょう。
外壁の苔やカビ
先ほどと同様、劣化が進み始めているサインに外壁の苔やカビの発生があります。汚れが付着しやすくなったということは、外壁の防汚性の機能が落ちているからです。苔やカビは、一度根を張る水洗いでは除去しきれません。殺菌作用のある洗剤を使ったバイオ高圧洗浄など、適切な塗装プランを考える必要があります。また、塗料の中には防カビ・防汚性機能が高い塗料もあるので、業者と相談しながら決めるのがおすすめです。
チョーキング
外壁を手で触ったときに白い粉がつく場合は、できるだけ早く対処しましょう。これは、塗膜の成分が劣化したことによるチョーキング現象と呼ばれ、紫外線や雨風などが原因で起こる劣化症状です。顔料が外壁の表面に出てきてしまっているので、塗料の耐久力が落ちています。チョーキング現象は、外壁に関して知識がなくても、すぐに気づける症状です。セルフチェックの方法として、覚えておきましょう。
塗膜の割れ・はがれ
外壁をよく見たときに、割れたりはがれたりしている部分はありませんか?少しの割れやはがれであっても、放置するとどんどん進行していくので、早めに対処するのがおすすめです。外壁は毎日何かしらのダメージを受けることで、塗装が少しずつすり減っていきます。そうなると、雨水が少しずつ入り込んでいき、湿気が溜まることではがれてしまうのです。劣化が進行すると、雨漏りの原因にもなり得ます。雨漏りは住宅全体の傷みとなるため、割れやはがれがあったら、業者へ連絡して点検してもらいましょう。
シーリングの亀裂
外壁塗装の継ぎ目に使われているのがシーリングです。シーリングは経年劣化することによって亀裂が起こるので、早急に対処する必要があります。放置すると、亀裂はどんどん進み、結果的に雨水の浸入を許してしまうのです。亀裂部分から雨水が入り込むと、雨漏りはもちろん、外壁材が腐食することでシロアリ被害を引き起こす可能性も。住宅の寿命が短くなってしまうため、シーリングの補修は必ずおこなってください。
外壁塗装費用を安く抑える5つの方法
外壁塗装の費用目安は、30坪の住宅で最低でも約60万円〜と、決して安い金額ではありません。予算との兼ね合いもあるため、できるだけ価格を抑えたいと考える人が多いのではないでしょうか。そこで、塗装費用を安く抑える方法を5つ紹介していきます。ただし、安いからといって手抜き工事をされては、お金も時間も無駄になってしまうでしょう。価格だけを見て飛び付かず、工事内容や見積書をしっかり確認し、慎重に業者を選ぶことが大切です。
見積もりを比較する
面倒だからと一社のみで決めてしまうのではなく、見積もりは複数社に依頼して見比べる必要があります。即決してしまうと、相場から外れた金額かどうかがわかりません。また、工事内容に不備があったとしても、一社のみの見積書だと気づけないでしょう。複数社の見積書を比較することで、金額が高すぎる、または低すぎるということがわかります。さらに、わかりやすく工事内容が記載されている業者のほうが、信頼して依頼できるでしょう。塗装業者の候補をいくつか絞ったら、いきなり一社に決めずに、少なくとも2〜3社から見積もりをもらうのがおすすめです。
火災保険を使う
自然災害による外壁の損傷は、火災保険が利用できる場合があります。火災保険は火事だけではなく、台風や大雪などの影響で被害を受けたときでも、保険金が使える可能性があるからです。ただし、風災補償への加入や、20万円以上の工事費用などといった条件があります。入っている保険内容によって変わるため、一度確認しておくとよいでしょう。
助成金・補助金を利用する
市区町村で実施している、助成金や補助金制度を活用することで、塗装費用が抑えられます。負担してくれる金額は自治体によってそれぞれですが、外壁塗装費用の10%などというように、まとまった金額が受けられるでしょう。外壁塗装費用は高額な資金が必要です。市区町村がおこなっている助成金・補助金制度は返済する必要がないので、利用して損はありません。条件を満たさなければいけない場合が多いため、着工前に一度住んでいる地域で外壁塗装の助成金・補助金制度について調べておくのがおすすめです。
屋根の塗装を同時におこなう
屋根の塗装もいっしょにおこなうと、足場代の節約につながります。外壁塗装費用の内訳では、足場代が約20%を占めているため、屋根の工事を同時にすると、足場代が一度で済むからです。屋根も外壁と同じく、毎日何かしらのダメージを受けて傷みが蓄積されているはず。外壁塗装をおこなった後に、屋根の塗装も依頼するとなると、再び足場代がかかってしまいます。屋根の塗装時期がわからない場合は、塗装業者と相談して決めましょう。
優良業者に依頼する
同じ塗料を使って塗装するにしても、職人の技術によって差が出る可能性があります。また、同じ工事内容でも高額請求してくる悪徳業者がいるのも事実です。素人の目で見て判断するのは難しいですが、依頼する業者の実績や口コミを判断材料にしてみましょう。優良業者は豊富な施工実績があるだけではなく、塗装技能士などの資格を所有している職人が在籍している場合があります。また、実際に塗装工事をおこなった人の口コミなら、生の意見が聞けるため、参考にできるはずです。もちろん、実績や資格の有無がすべてではありません。
しかし、塗装に関して知識がない人にとっては、業者選びの基準となります。外壁塗装を依頼したのはよいものの、技術の差によって20年もつはずが、10年でダメになってしまったら元も子もありません。いろいろな業者を調べて、慎重に選ぶ必要があります。
まとめ
外壁塗装の費用目安は、約30坪で最低でも60万円は見ておくとよいでしょう。新築の場合は築10年前後、2回目以降なら前回使った塗料の耐用年数から、最適なタイミングを業者と決めるのがおすすめです。外壁塗装は安い価格ではないため、複数社との見積もりを比較しながら、予算に合わせた塗装ができるようにする必要があります。一二三工務店では、お見積もりのご依頼をいつでも無料で承っております。
また、独自の技術で実現した「一二三SPシリーズ」は、優れた耐久性を誇るワンランク上の塗料です。一二三工務店にしかない外壁塗装専用塗料なので、ぜひその性能を実感してみてはいかがでしょうか。