畳はクッション性や調湿効果が魅力ですが、ダニが発生しやすいというデメリットもあります。畳の劣化、掃除の負担、または部屋の印象を変えたいという理由から、フローリングへのリフォームを検討する方も多いでしょう。本記事では、畳からフローリングへリフォームする際のメリット・デメリット、工法ごとの費用相場、そして費用を抑えるポイントを徹底的に解説します。
畳からフローリングへリフォームするメリット

さまざまな理由により、畳からフローリングにしたいという方が増えています。畳からフローリングにすると、どのようなメリットがあるのかを知りましょう。
掃除が楽になる
畳のように、ほこりや食べかすが繊維の奥深くへ入る恐れがありません。飲み物をこぼしてしまった際も、シミ抜きの手間がなく、日々の掃除も畳に比べると簡単です。表面のほこりやチリは掃除機をかければきれいになるので、畳よりも清潔な空間を保てます。
ダニが発生しにくい
ダニが発生しにくいことも、フローリングにリフォームするメリットです。ダニは、暖かく湿った環境で大量に発生し、ほこりや食べかす、髪やペットの毛などを餌にします。そのため、畳は絶好のすみかといえるでしょう。一度発生してしまうと駆除が難しいため、ダニ対策としてフローリングにリフォームすることも対策の一つです。
耐用年数が比較的長い
フローリングは、使用する床材により耐用年数が異なります。主流の合板(複合)フローリングは約10~20年、100%天然木の無垢フローリングでは30年以上です。一方の畳の耐用年数は、使用頻度や手入れにより差が生じますが、一般的には5年程度、長くても20年といわれています。畳の寿命を延ばすには、表面のい草を交換する方法や、畳を一度剥ぎ、汚れていない裏面を表として使用する方法など、職人による作業が必要です。
畳からフローリングへリフォームするデメリット

フローリングへのリフォームには多くのメリットがありますが、後悔しないためにはデメリットの把握が不可欠です。ここでは、畳にはないフローリング特有の注意点を解説します。
足が冷えたり疲れやすくなったりする
保湿や保温性に優れた畳に比べ、床下の冷気が伝わりやすく、フローリング自体が冷えることから、足の冷えに繋がります。また、畳のようなクッション性がなく床材が固いため、振動が伝わりやすく、足が疲れやすくなることもデメリットです。こうしたデメリットは、断熱性に優れた無垢材や、クッション性のある素材を使用することで解消できます。
水に弱い
フローリングも畳同様、水に弱い素材です。ただし合板フローリングは表面に加工がしてあるため、多少ならすぐ拭き取れば問題はありません。無垢フローリングの場合は、変色や変形の原因となるため、水気を拭き取ったあと空拭きをする必要があります。水分がついたまま放置すると、シミの原因となり元に戻すことができないため、できるだけ手早く対応しましょう。
メンテナンスが必要
フローリングは、合板(複合)フローリングと無垢フローリングがあり、無垢フローリングを希望する場合は、ワックスがけが必要と覚えておきましょう。合板フローリングはワックスがけをする必要はありませんが、ワックスをかけることで、摩擦や経年による塗装の表面の剥がれ防止にも繋がります。小さな傷などが気になってきた場合は、市販されている補修製品を使用するのも良いでしょう。 \おすすめのフローリングについて聞いてみる!/
畳からフローリングへリフォームする方法

畳からフローリングへリフォームする方法はいくつかあります。費用や工期のことも考えて選ぶ必要があるので、まずはどのリフォーム方法があなたの家に合っているか、チェックしましょう!
畳を剥がしてフローリングを張る
畳からフローリングにリフォームする一般的な方法が、畳を剥がしてから床材に張り替える方法です。この方法なら、下地材の傷みを確認・修繕できることに加え、リフォーム時に風通しが良くなるので湿気やほこりを除去できます。ただし、畳を剥がすことで、他の部屋の床の高さと調整するために、床下の根太(ねだ)や合板で下地の「厚み調整」を行う工事が発生します。費用がかかること、下地の状態や部屋の広さにより工事期間が数日かかることがデメリットです。
畳の上からフローリングを敷く
畳の上に直接フローリングを敷く方法は、費用を抑えてリフォームしたい方におすすめです。フローリングカーペットやフロアマットなどの安価な素材を利用すれば、さらに費用を抑えられます。デメリットは、直接畳の上に敷くため畳が傷むこと、湿気がこもりカビが発生してしまうことです。湿気対策として、床下に湿気を取るための薬剤をまく、除湿シートをフローリングと畳の間に敷くなどの方法があります。
DIYでフローリングに張り替える
自分でフローリングに張り替えることも可能です。ホームセンターで販売している木材やウッドカーペット、フローリング調のクッションフロアなどを使用します。費用も材料費のみのため、一番安価でリフォームできるのがメリットです。しかし、もし下地材が傷んでいた場合は、専門業者に修繕してもらう必要があります。まずは下地材の状態を確認するところから始めましょう。 DIYは全てを自分で行うため、失敗しないよう入念な計画が必要です。サイズ計測や部屋に適した材料選び、フローリングへした際に生じる部屋と廊下との段差なども踏まえて計画を立てましょう。
畳からフローリングへ!リフォームの工期・費用相場

リフォームにかかる工期や費用は、リフォームの方法や部屋数、床の状態などにより左右されます。一二三工務店では、お見積りを無料で実施中です。以下の工期や費用を目安に、ぜひリフォームについてご相談ください!
畳の処分費用
畳を剥がしてフローリングを張る場合、必ず古い畳の処分費用が発生します。自治体によって処分方法は異なりますが、一般的な畳の処分費用の相場は、1枚あたり2,000円~5,000円程度です。これはリフォーム費用総額とは別に計上されることが多いため、見積もりで確認するようにしましょう。
畳を剥がしてフローリングを張る工期と費用
フローリングは、素材により費用が異なります。以下の費用は、畳の処分代や工賃も含んだ費用の相場です。 【工期】 6~8畳:約1~2日 【合板フローリング】 6畳:15~18万円 8畳:18~24万円 【無垢フローリング)】 6畳:20~25万円 8畳:20~30万円 【防音フローリングを使用する場合】 上記の費用から5~10万円前後加算した金額 リフォーム時に下地交換や厚さ調整をする場合は、上記の価格に対し1.5~2倍ほどの費用が必要になる場合が多いです。工期は下地を修繕する場合や複数の部屋をリフォームする場合、3~5日ほどかかることもあります。また、冬季や雨季など接着剤が乾きにくい季節は工期が延びる可能性があります。
畳の上から床材を敷く工期と費用相場
畳の上に直接床材を敷くため、部屋の広さに関わらず1日で作業を終えることができます。畳を剥ぐ必要がないため、工賃含め合板フローリング、無垢フローリングともに数万円~十数万円が相場です。本施工はカビ防止のため湿気対策が欠かせません。別途除湿に関する費用が発生する場合があります。
DIYでフローリングに張り替える場合
DIYでフローリングに張り替える場合、どの素材を選ぶかで費用が異なります。フローリングカーペットの相場は、6畳でおよそ2万円弱です。ホームセンターや家具・インテリア用品店などで手軽に購入できるため、簡単に部屋の印象を変えられます。
これらの費用はあくまで目安であり、使用する設備や材料のグレード、既存の状態、工事の難易度によって変動します。具体的な費用を知るためには、専門業者に見積もりを依頼することが最も確実です。
畳からフローリングへリフォームする際の注意点

畳からフローリングへリフォームする場合、いくつか注意したいことがあります。部屋の状態によっては追加費用がかかると覚えておきましょう。その他の注意点は、以下の通りです。
高さ調節
畳からフローリングにすると、他の部屋と段差ができてしまうことがあります。特に畳の上から床材を敷くと段差ができやすいので、厚みのない素材にしたり、薄いフロアマットを使って高さを合わせたりしましょう。できるだけ段差を無くしたい場合は、高さ調節がしやすい畳を剥がすリフォームがおすすめです。
遮音性
畳と比べて、フローリングは音や振動が下に響きやすくなります。特にマンションやアパートでは、防音についての管理規約が定められており、基準となる「遮音等級」を満たせなくなることがあるため注意が必要です。遮音等級とは、上の階から下の階へ音が伝わる際の遮断性能を指しており、LL30やLL40などと表現されています。 遮音性を高めたい場合、床材と遮音材を組み合わせる方法があります。床材によっては遮音等級が明記されている製品もあるので、下の階へ音を響かせたくない場合は遮音性にも注目しましょう。
床材ごとの特性を理解する
フローリングを敷くことで部屋に湿気がこもりやすくなったり、床が冷えやすくなったりする場合があります。床材を選ぶ際は、頑丈さ、足触り、床暖房に対応可能であるかなど、素材ごとの特性を理解しましょう。
特に合板フローリングは、表面加工により傷や水に強く、ワックスがけが不要な製品が多く、ペットを飼っている家庭や水回りに近接する部屋におすすめです。一方、無垢フローリングは、優れた調湿作用と自然な風合いが魅力ですが、定期的なオイルメンテナンスが必要で、水濡れや傷には比較的弱い点を考慮する必要があります。この他に、雨量が多く湿気がネックなエリア、積雪量が多く寒いエリアなど、地域ごとの特徴を参考に床材を検討するのもおすすめです。
費用を抑えるポイント

畳からフローリングへリフォームする場合、どうしても費用が高くなってしまいます。そこで、少しでも費用を抑えるためにおすすめなポイントを2つご紹介します。
介護保険を活用する
生活において車椅子が必要などの理由があれば、フローリングへのリフォームに介護保険が適用されます。家族が要介護・要支援認定を受けているのであれば、申請してみましょう。介護保険を利用する場合は、事前の申請と工事後の報告が必要です。
バリアフリーリフォームとして自治体に補助金申請をする
介護保険以外にも、バリアフリーリフォームとして自治体が設けている補助金制度を利用できる場合があります。高齢者や障害者が生活をする上で、自宅をリフォームする必要性がある場合に適用される制度です。制度の名前や対象となる条件、補助金の上限は自治体により異なります。また、リフォームが始まってからでは申請できません。後悔しないためにも、まずはお住まいの自治体にこのような制度があるかを確認してみましょう。
和室から洋室へ!部屋の雰囲気を新しくしよう

畳からフローリングへのリフォームは、部屋の雰囲気を一新するだけでなく、掃除やメンテナンスの負担を大きく軽減します。最適な工法や費用を具体的に知りたい方は、一二三工務店はお見積り無料です。興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください!

