防音工事の費用相場は？窓・床・壁・天井の工事別費用と注意点を徹底解説

お役立ち情報

2025.09.01

生活するうえで、周囲の生活音や外部からの騒音に悩んでいる方は少なくありません。音のストレスが続くと、睡眠不足や集中力の低下につながることもあります。そんな騒音の悩みを根本的に解決したい場合は、防音工事による対策を検討しましょう。この記事では、防音工事の費用や注意点をわかりやすく解説しています。物音が気になって眠れない方や、生活音でストレスを感じている方はぜひ参考にしてください。

防音工事の費用を検討する前に目的を明確に

防音工事は「どんな音を・どの場所で」防ぎたいかによって方法も費用も変わります。目的を明確にすることで、無駄のない工事が可能になります。

外の騒音対策と防音工事費用の目安

車や電車の走行音や人の話し声など、外から侵入してくる騒音は暮らしの質を大きく下げてしまいます。とくに深夜や早朝の時間帯に響く音はストレスになりやすいため、窓や壁の防音工事を取り入れると安心です。

室内の生活音対策と防音工事費用

家庭内の生活音も意外と気になるものです。たとえば以下のような音は、多くの人が「騒音」と感じやすい代表例です。

ドアの開閉音
廊下を走る足音
トイレの流水音

このような日常の音も、壁や床の防音工事を行うことで軽減できます。在宅ワークや二世帯住宅では、上下階や隣戸への配慮としても有効です。

趣味の音対策と防音工事費用

楽器演奏や映画鑑賞など、趣味の時間を気兼ねなく楽しみたい方には天井の防音や防音室の設置がおすすめです。本格的な防音室は高額ですが、組み立て式のタイプなら比較的導入しやすく、数十万円程度から検討できます。

防音工事の部位別費用比較表

施工箇所ごとに費用相場と効果を一覧にすると次のようになります。

部位	主な施工方法	費用相場（目安）	効果の目安
窓	二重窓設置、防音ガラス交換	5万〜15万円程／1ヵ所	約10〜15dB低減、外部騒音に有効
床（LL）	防音カーペット、防音フローリング	6万〜23万円程／6畳	足音や物音の軽減
床（LH）	床下吸音材設置、遮音マット＋床材交換	30万〜80万円程	振動を伴う大きな音を軽減
壁	防音材充填、防音シート、換気口対策	2万〜15万円程	隣室との音漏れを防ぐ
天井	吸音材補填、防音シート、二重天井	10万〜30万円以上	上階への音漏れ・反響を防ぐ

※掲載している金額・施工内容は参考情報です。建物の状態や施工条件によって変動する可能性がありますので、必ず現地調査後の見積りをご確認ください。

窓の防音工事費用と種類

窓はもっとも音の出入りが大きい箇所のひとつです。二重窓（内窓）を設置すると、既存窓との間にできた空気層が音を弱め、約15dBの低減効果が期待できます。費用は1ヵ所あたり8万円〜15万円が目安です。サッシを二重にすると、さらに効果を高められます。

もう一つの方法は、防音性のある複層ガラスへ交換することです。特殊な中間膜を挟んだガラスを使用し、費用は1ヵ所5万円〜15万円程度です。二重窓と併用するとより高い効果を発揮します。

床の防音工事費用と種類

床から伝わる音には2種類があります。軽量衝撃音は小物の落下音や足音、重量衝撃音は走ったり飛び跳ねたりする際の振動を伴う大きな音です。それぞれに適した工事を選ぶことが重要です。

軽量衝撃音対策：防音カーペットや防音フローリングに張り替える方法で、6畳あたり6万円〜23万円程度。
重量衝撃音対策：床下に吸音材を敷く工事なら30万円〜80万円、遮音マットと床材交換を組み合わせる工事なら30万円〜60万円。

目的に応じた工法を選ぶことで、効果的に音を抑えることができます。

壁の防音工事費用と施工方法

壁は隣室との音漏れを防ぐうえで欠かせない場所です。内部に遮音材や吸音材を入れる工事は12万円〜15万円程度が相場で、比較的取り入れやすい方法といえます。簡易的な方法としては、市販の防音シートを貼るだけでも一定の効果が得られます。

換気口からの音を防ぐには、防音仕様の換気口に取り替えたり、内部に吸音材を入れたりする方法があります。費用は2万円〜5万円程度で、手軽に取り入れられる点が魅力です。

天井の防音工事費用と注意点

天井は上階や屋外との音の行き来が多い箇所です。天井裏に吸音材を補填したり、防音シートを貼ったりする方法が一般的です。さらに二重天井にする場合は強度を確保する必要があるため、ネジでしっかり固定します。施工の際は落下のリスクを避けるため、専門業者に依頼することが安心です。

部屋全体を防音工事する場合の費用相場

窓や床といった部分的な施工であれば数万円〜数十万円ですが、部屋全体を対象とすると金額は大きくなります。6畳程度の一室なら100万円前後からが目安で、部材や工法によっては200万円を超える場合もあります。マンションの一室を全面リフォームするケースでは、数百万円規模に達することもあります。

防音工事費用を左右する主な要因

防音工事の費用は施工面積や素材だけでなく、建物構造や工事範囲などさまざまな要因で変わります。

施工面積が広いほど費用は高くなる
高性能な建材を選ぶと費用も上がる
簡易工事か本格工事かで金額に差が出る
木造かRC造かによって工事方法や費用が変動する

このように、同じ「防音工事」でも条件によって見積もりは大きく異なります。

防音工事の制約条件と注意点

工事を検討する際は、建物の構造や環境によって制限があることも忘れてはいけません。木造住宅は比較的施工しやすい一方で、マンションなどのRC造では制約が多いケースがあります。また、換気口や配管まわりは工夫をしないと換気性能に影響する可能性があります。集合住宅では管理規約で工事が禁止されている場合もあるため、必ず事前に確認しておきましょう。